闘病と「ギケイキ」の2018年上半期

「ギケイキ」という本がある。漢字で書けば「義経記」。平安時代の武将源義経の生涯を描いた「義経記」を、パンク歌手で作家の町田康が現代語訳というか、現代にリメイクした書物だ。私は町田康のファンだが、長年断続的に続くメンタルの病を抱えていて、町田康の小説は軽く読みやすいものではないので「ギケイキ」は買わずに「いつか」、それがいつになるのかわからないが「いつか」に読もうかと思っていた。「読みたいか、読みたくないか」で言えば間違いなく読みたくて、何度も書店で手にとったりしていたが。だが、今年の上半期はすこし病気の調子がよい時期があり、重い、暗い本が少し読めた。「これならちょっと読書をしても大丈夫そうだな」と思っていたころ、私はグーグルプレイカードを最低の金額、千五百円で一枚買った。

映画を見るつもりだったのだ。しかし勘違いでその映画はグーグルプレイカードで見れるものではなかった。「カードを買っちゃったなら使うかなあ。取っとくっていう手もあるけど」と思ってグーグルプレイを検索していると「ギケイキ」が値引きされていた。千三百円ちょっとぐらいだったと思う。いつも使っているiTunesストアでは「ギケイキ」は千六百円だった。血相を変えて私はグーグルプレイのギケイキを購入した。読むのには一週間ぐらいで済んだと思う。闘病は断続的に、しかし長く続いていて、未だ終りが見えていない。でも今年の上半期は、「ギケイキ」が読めた、というのはたぶん相当後でも思い出す印象が鮮烈な思い出だ。「ギケイキ」はとても面白かった。「2」が最近出てこれも読むことを考えている。